私たちが常に持ち歩いて、一日何度も利用するもの「スマートフォン(スマホ)」
この「スマホ」は私たちが生活をするうえで、「便利」を通り越して「無いと困るもの」になっています。
そのスマホにはものすごい量の情報が保存されています。
友人・家族の連絡先、メール、写真、動画、メモ、アプリ…挙げだしたらキリがありません。
ただ改めて考えてみると、私たちはスマホにとてつもない量、そして重要な情報を保管しているのです。
そのスマホを落としてしまったら。
落としたスマホを誰かが拾って、中を見られてしまったら。
中の内容をもとに「あなた自身」を隅々まで調べられて、命を狙われてしまったら。
そんな「実感はないものの、確実に私たちの隣に潜む危険」を題材にしたミステリー小説です。
『スマホを落としただけなのに』のあらすじ
この物語は、ある男性が自身のスマホをなくしてしまったことから始まる。
この男性は酒を飲んで乗ったタクシーにスマホを置き忘れてしまったのだが、男性の後にタクシーに乗った別の男にスマホを拾われてしまった。
この「別の男」が拾ったスマホを解析し、スマホに保存された持ち主の彼女に興味を持ち、次第に彼女の情報を収集していく。
『スマホを落としただけなのに』を読んだ感想
私が本書『スマホを落としただけなのに』を読んで感じた、考えた感想は主に次の2つです。
- 「運が悪かった」ですませられない
- SNSに投稿する写真や情報は細心の注意を払うべき
①「運が悪かった」ですませられない
一見、「スマホを落として、それを拾った人がパソコンやスマホのセキュリティに精通していて、かつスマホを解析して持ち主やその周りの人を狙ってくるなんてただ運が悪かっただけ」と思うかもしれません。
ただ、実際にスマホを使った犯罪は多く起きています。
スマホに限らず何か物を失くしてしまうことは、注意することはできるが完全に防止することはできません。
重要なのは、スマホをなくしてしまった後の対応です。
例えばスマホを失くしたと分かった時点で、
- 遠隔で中のデータを消去する
- 各種パスワードを変更する
といったことを急いでやることが大切だと改めて感じました。
②SNSに投稿する写真や情報は細心の注意を払うべき
「SNSに投稿する写真や動画、情報は注意すべき」とみんな頭のどこかでは理解していると思います。
それでも、日々SNSに写真はアップされ続けています。
自分の写真だけならまだしも、子供や時には他人の子供までSNSにアップする人も多いですよね。
SNSの使い方は写真や動画、情報を多くの人に共有するものであるから、否定はしません。
だけれど、SNSで写真を公開することの「懸念点」を今一度考えてほしいと思います。
興味深いのは次の方のtwitterの投稿です。
私は元ストーカーでございます。ストーキングしたいわけじゃないんだけどストーキング以外に愛情表現わかんない☆っていうたちの悪いストーカーでした。過去ね、過去。
住所とか職場とか電話番号とか家族構成寝る時間好きなもの、全部調べるの得意です。で、昨日の夜ふと思い立った。
— 伊藤ロマ@金魚 (@kingyo_roma) 2015年6月20日
さいごに
実際にSNSの情報から個人情報を収集することは可能ですし、収集した情報を使って事件が起こる可能性があります。
「自己顕示欲」や「自身の承認欲求」を満たすことばかりで視野が狭くならないようにしたいものです。