30代の方に向けて、私が読んで「おススメしたいと思った本」を紹介します。
今回ご紹介する本は
『不祥事』 池井戸潤 著
です。
- おススメ度:★★★★★
- 銀行の支店を舞台に、銀行特有の事件を解決する話
- ドラマ「花咲舞が黙ってない」の原作本
- 主人公は2人組。花咲舞と冴えない上司相馬
- スカッとする内容で、モヤモヤした時に読みたい本
本書『不祥事』の概要・あらすじ
本書は、銀行の支店を舞台にしたフィクション小説です。
半沢直樹の舞台は東京中央銀行。
本作は、合併前の銀行である東京第一銀行(半沢の出身行とは別)に勤める花咲舞と上司・相馬健が主人公です。
花咲たちは、全国の支店に出向き、事務の指導やサポートを主な業務とする「臨店」という仕事を主に担当する部署に勤めています。
臨店で出向く支店は、何からの問題や課題を抱えていることが多い。
その出向いた支店で起こる・起きている事件や問題、花咲の強い正義感と歯にものを着せぬ言動、物怖じしない態度で解決していきます。
半沢直樹と同様、周りに媚びず、悪いことは悪いと言い、強気に進んでいく花咲の言動と行動からは爽快感を得られるだけでなく、勇気をもらえます。
読んでスカッとできる内容で、私生活でモヤモヤした時や、仕事で納得のいかない出来事に遭遇した時に読むのをおススメできる本です。
また、この本はドラマ「花咲舞が黙ってない」の原作本です。
本書『不祥事』の構成 – 全8話の短編集
本書は、8つの短編から構成されている短編集です。
ひとつの支店で起こる事件や問題を一つの話にまとめており、内容もテンポよく進んで行き、分量としても読みやすいです。
また、各話の登場人物や内容は関連しており、短編集ながら読み終わった後は一冊の長い小説を読み終えたような達成感もあります。
主人公は2人組。切込み隊長「花咲舞」と、弱腰の上司「相馬健」
本書の主人公は2人です。
一人は花咲舞。
歯にものを着せぬ言動と強い正義感で、年齢も立場も上の相手でも間違ったことを正すために立ち向かいます。
この花咲舞の言動と行動には勇気をもらう方も多いと思います。
もう一人の主人公は、相馬健。
花咲舞の上司という立場でありながら、いつも花咲から一歩遅れ、花咲の言動・行動に胃を痛めている。
若干鈍感で気も小さいが、正しい倫理観を持ち合わせており、花咲を陰から支えています。
性格は真逆の二人ですが結果的にバランスが良く、また二人とも性格がいいので親近感が湧くというか、応援したくなります。
ドラマ「花咲舞が黙ってない」の原作本
本書は、2014年に放送されたドラマ「花咲舞が黙ってない」の原作本となります。
花咲舞役は女優の「杏」さん、相馬健役は俳優の「上川隆也」さんでした。
花咲舞の強気だけど芯の通った言動を杏さんが演じ切っている完成度の高いドラマでした。
まだご覧になっていない方は、本書と合わせて観てみるのはいかがでしょうか。
さいごに一言
本書に描かれているのは、銀行特有の問題でありながら、本質は企業の体質や「人としてどうあるべきか」という点に焦点を当てています。
そんな「どうあるべきか」という難しく、周りの影響も大いに受ける課題に対して、自身のなかで一つの考え・芯をもって、間違いを正していこうとする花咲舞から勇気をもらえる本です。
半沢直樹のドラマの続編がもうすぐ始まりますね。
直接的な関係があるわけではないですが、半沢直樹と同様、読んでスカッとする内容でちょっとした勇気をもらえる本ですので、自信をもっておススメできる本です。
ぜひ、気になった方は読んでみてください。